第10章 番外編 猫
しかし、現在の杏のスカートは捲れ上がり普段では絶対に見えることのない位置の綺麗な白い肌が覗いている。
『んにゃ…、』
しかも、杏が身動ぐ度に危うく見えそうになっている。
不死川は石のように固まった状態で普段なら見ることはできない位置の杏の綺麗な白い肌から視線を離せなくなっていた。
『んー、』
不「っ!!」
──バサッ
今までより大きく動き、見えてはいけないところまで見えそうになった瞬間、ハッとした不死川が自身の羽織を杏に被せた。
不「はぁ…。あぶねェ…。」
その場にしゃがみ込み、小さく呟く。
チラッと杏の方に視線を向けてみるが、未だにスヤスヤと気持ち良さそうに眠る杏。
不(…なんか、だんだん腹立ってきたなァ。)
こちらの苦労も知らず、スヤスヤと眠る杏によくはわからないが怒りを向ける。
不「おィ、起きろォ。」
少し強めに揺すって起こす。
『…ん、にゃにゃにゃにゃん??
(ん、不死川さん??)』
薄く目を開け、パチパチと瞬きする杏。
不「とりあえず起きろォ。」
寝起きでうまく動かない頭で不死川の言葉を理解し、ムクリと体を起こす。