第10章 番外編 猫
──トントン
心地よい音が響く。
その音を聞き、朧気だが目を開く杏。
──クンクン
杏(…いい匂い。)
鼻を動かし、辺りの匂いを嗅ぐ。
杏(…誰かご飯作ってる??)
まだ覚醒していない頭で考えるも、再び睡魔が襲ってくる。
モゾモゾと身を捻り、再び眠りについた。
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──カタン
御膳に作ったご飯を置き、杏を寝かせた部屋へと向かう不死川。
部屋に入る前、未だに転がっている杏の体が見える。
不「どんだけ寝るつもりだァ、アイツ。」
溜息をつきながら部屋に入り、御膳を下に置く。
流石に起こそうと杏の方へと視線を向けた瞬間、ピシッと固まる。
『んー。にゃ…、』
モゾモゾと身動ぐ杏。
ここで杏の服装のおさらいをしましょう。
杏は任務のあとのため、隊服を着ている。
杏の隊服はスカートだ。
普段は膝が見えるくらいの丈のスカート。
何故かはわからないが戦闘中にどれだけ飛んだり跳ねたりしても捲れることはない。
つまり、誰も杏の膝より上の部分の足を見たことがないのだ。