第10章 番外編 猫
クスクスと笑うしのぶに背を向け、シュンと消えるように去っていった。
し「さてさて、どうなりますかね…。」
楽しそうに笑うしのぶ。
──ガラッ
ア「しのぶさま!!急患です!!
…そのっ、猫です!!」
慌てた様子のアオイが扉を開ける。
し「来ましたか…。」
ふぅ、と痛む頭を抑え立ち上がる。
し「みんな処置室へ運んでちょうだい。」
ア「はい!!」
しのぶの指示を聞き、走ってゆくアオイ。
し「さてと、頑張りますか…。」
重たい足を動かし、処置室へ向かった。
────────
──────────────────
不「…にしても、ほんっとに起きねぇなァ。」
屋敷につき、腕の中の杏を見下ろすも相変わらず起きる気配がない。
はぁ、と溜息をつきながら畳のうえにおろす。
そのとき、不死川のお腹から小さく音がなった。
不「とりあえず、飯でも作るかァ。」
もうすぐ日付が変わるが、未だに夕餉を食べていなかったため台所へ向かう。
不「アイツも食う…よな。普通に食わせていいって言ってたよな、確か。」
チラッと眠っている杏に視線を向け、しのぶとの会話を思い出す。