第50章 勝利と代償
し「どうぞ。」
しのぶが返事をしてすぐにドアが開く。
そこには艶が肩に止まっている祈里と音羽が入院着姿で立っていた。
ほんの数週間前まではあちこち包帯まみれだったが、今はほんの少しのガーゼが貼ってあるだけになっている。
し「ありがとう、艶。」
しのぶは戻ってきた艶を腕に止まらせ、頭を撫でてやる。
し「それでは、そちらに座ってください。」
祈里と音羽を椅子に座らせると現在の状況を伝えた。
祈「それは……本当ですか??」
音「そんな……杏さま…。」
話を聞いた2人は青ざめた顔で互いに寄り添い合う。
し「まだ仮定のお話です。本人に確認する前に貴方たちにも話を伺いたくて。何かいつもと様子が違う、気になったことはありませんか??」
しのぶの真剣な顔と声色で2人はハッ、我に帰り考え込む。
そして、震える唇を動かして話し始めた。
祈「……普段と変わった様子はあまりなかったように思います。」
音「私も……そう思います。」
し「そうですか。」
2人の答えにしのぶが考え込んでいると、祈里がでも……と言葉を続ける。