第50章 勝利と代償
し「杏さんが食事について何か言っていたんですね??」
しのぶの問いかけにサクラは頷く。
サ「ヤッパリ病人用ノ食事ネッテ。違ウノ??」
ア「元々ここは患者さんたちに合わせて臓器に負担が少ないよう薄味です。私たちも普段から同じものを食べていますし……。でも、杏さまもここではよく食事されてましたよね。重湯とかお粥だったら味が違うと感じるとは思いますが……。」
サ「サッキノ食事モ言ッテタワヨ。」
ア「昼食からは常食でした。完食されてはいましたが……。」
2人の話を黙って聞いていたしのぶがゆっくりと口を開いた。
し「杏さんは以前に比べて聴覚と味覚が落ちている可能性がありますね。」
サ「ソンナ……!!」
驚きの声を上げるサクラの隣でアオイはぐっ、と眉間に皺を寄せる。
ア「しのぶさま。祈里さんと音羽さんを呼んだのは、もしかして他にも──…??」
し「まだわかりません。だから話を聞くんです。」
しのぶの真剣な声色にアオイは押し黙る。
そんな最悪な空気の中、部屋にコンコンと音が響く。
祈「蟲柱さま。」