第50章 勝利と代償
わくわくが隠しきれていない杏にアオイは呆れたような笑みを浮かべる。
ア「では、ごゆっくりどうぞ。」
『いただきます。』
アオイが病室を出るのを確認した杏は手を合わせ再びいただきます、と呟くと食事を口に運ぶ。
しのぶとアオイからの注意通りよく噛んでゆっくりと飲み込む。
『やっぱりご飯は硬いほうが美味しいわね。でも……やっぱり病人用の食事ね。』
少し残念そうに呟きながらも、形あるものを食べられる喜びを噛み締めながら食事を進めた。
ア「綺麗に食べられましたね。」
『はい。ごちそうさまでした。美味しかったです。』
ア「それならよかったです。気分は悪くないですか??」
『はい。大丈夫そうです。』
食事のことを思い出しているのか目を瞑って満足そうに微笑んでいる杏にアオイも安心したように胸を撫で下ろす。
しかし、アオイは他の部屋にも行かなくてはならないので余韻に浸っている杏にいつまでも付き合ってはいられない。
ア「では、これからも何か気になることがあればいつでもおっしゃってくださいね。」