第50章 勝利と代償
し「すみません杏さん。3人ともすごく心配していたので………おはようございます。」
聞き慣れたその声を目で追うと桃色の蝶の髪飾りでハーフアップに髪を纏めているしのぶがいた。
その微笑みにサクラのときと同じようにゆっくりと瞬きをする。
し「声は出ないようですね。まぁ一月半寝ていたわけですからね。数日もすれば出せるようになりますよ。」
杏(一月半か……。)
よく寝てたなぁと1人で考えているとしのぶがよいしょ、と言いながら椅子に座る。
し「身体が動かないでしょうしそのままで。今大丈夫そうなら色々と説明しますね。」
そう言ったしのぶはあの戦いの顛末、杏の身体の状態、参戦していた鬼殺隊士たちの怪我の状況、そして、犠牲者たちについて説明をしてくれた。
し「怪我人の数は想定通りでしたが、正直最終決戦と考えると犠牲者の数は少なかったかと思われます。しかし、それでも……沢山の命が失われました。」
その言葉に杏もあの夜のことを思い返す。
杏、不死川、悲鳴嶼が鬼舞辻無惨のところへ到着したときには既に大量の鬼殺隊士たちの亡骸があった。