【ONE PIECE】サキエルがほほ笑むのは…番外編
第2章 ONE PIECE FILM GOLD
『エースーッ!!』
どれだけ声を張り上げようが、見てくるのはカジノの客ばかり。
「手分けして探すかよい」
「そうするか。」
「んじゃ、俺はあっちを…」
そう別れようとしたとき…
「おい、あっちの店で飯を食いながら急に倒れた奴がいるらしいぞ。」
「死んだって噂だ」
『いたね…』
「あァ、いたみたいだねい」
「行ってみるか。」
「そうだな」
4人で野次馬が多く集まっている店に行くと、その中心に半裸でご飯に顔を突っ込んで寝ているエースがいた。
「お、おい…兄ちゃん?」
「生きてるのか?」
『ごめんなさい、私の連れなの。寝ているだけだから気にしないで。』
「お、おう、そうなのか。」
『こうすれば起きるから。』
私はエースが食べていたお皿のお肉に手を伸ばした。パシッと腕を掴まれる。
『いたい』
「俺の肉に手ェ出してんのは誰だ?んあ?アンか?」
「お前は何してんだよいッ!」
ゴンッとエースの頭にマルコの拳骨が降りた。
「いってェ!!つい、飯の匂いに誘われて…」
「飯より金にいけよな。」
「エースらしいがな」
『ご飯もいいけど、さっさと換金しに行かないと。』
「そうだねい。」
肉を片手にまだご飯を食べようとしていたエースを引っ張って、外に出ると外ではなぜか白い服の男たちが待ち構えていた。
『何か?』
「バカラ様に言われてきました。カジノ内はドレスコードとなっておりますので、まずはドレス、タキシードの着用を。それ専用の場所にご案内します。」
「仕方ないねい」
「俺は着物の方が好きなんだがな。」
男たちに案内されるままにドレスの置いてある服屋さんに着いた。
「アン様はこちらに。」
「アンになんかしたら許さねェかんな!!」
「エース、行くよい」
マルコたちはすんなりと入っていった。中に入ると、ズラーッと何着ものドレスが並んでおり、好きなものを着ていいと言われた。
『…青は…ここからかな…』
手に取ってみていくと、2着に気になるものを絞った。
『これも可愛い…』
「アン様にはどちらもお似合いです」
そうとしか言わないので、自分でも2着を見て悩んでいた。
「こっちのがいいと思うぜ?」
『ッ!!』
急にかけられた声に後ろを振り向くと、ネクタイを結ばずにダラッとタキシードを着崩しているエースがいた。