第7章 Reunion 〜beautiful woman〜*
ドキッ
菜緒は相澤に自分の名前を呼ばれ,ましてや普段無表情の男が微かに口角をあげ笑っているのにビックリした
(いや,これはもう,反則でしょ。ときめくわ)
菜緒自身いつも客には「菜緒ちゃん」と言われているたがまさか呼び捨てにされるとは思ってなかった。
(ま~でもちゃん付して呼んでいるのも想像できないか)
「たまにここで働いているらしいな」
『はい。本当たまに働いてます』
「大学生かどこか仕事しているのか?」
『ふふ。秘密です。』
(本当はあなたの学校の生徒です)
菜緒は先ほどの緊張はどこにいったのかバレないと思ったのか相澤との会話を楽しんでいた。
「なんとも非合理的虚偽だな」
『ここに来た時くらい無駄をしてもいいじゃないですか』
「・・・あぁ,たまにはいいかもな。」
『それよりどうやってここを知ったんですか?』
「マスターに名刺もらったから来た」
『マスター?あぁ酒坂さんですかね』
「あぁ。この前のClubでな、もっと静かな所で飲みたいと言ったらな」
『あんまり騒がしい所は似合わなそうですもんね』
「あぁ、この前は友達に無理やり連れられてだったからな。
相澤も菜緒との会話を楽しんでいた。
菜緒の近くにいると欲情心が掻き立てられるのも嘘ではないが,その反面,菜緒がそばいることは心が落ち着く気分になっていた。