第5章 fast friendship~ivy~
『いずくー』
と言って菜緒ちゃんは僕を抱きしめてきた
「はいーーー!!!
いや!菜緒ちゃん。流石にだっだっ抱きしめるのはちょっとアレとなんというか!!
とりあえず落ち着こう」
そこには今も変わらず綺麗な友達がそこにいた
菜緒ちゃんが急にいなくなったのは
僕たちが小学校に入る前のことだった。
お母さんにどうしてかと何度も聞いたのを覚えてる
その時お母さんは
「なおちゃんちにも事情があったのよ。また、新しいお友達も出来るし、菜緒ちゃんもまた楽しく違う場所で過ごしてるはずよ。菜緒ちゃんのことは忘れましょう」
と母親はなぜか悲しそうに僕に何度もそー伝えた。
そんな友達が今僕の目の前にいる。
小さな時から整った顔立ちで、ハキハキとしてて、かっちゃんの個性が出て僕が無個性とわっかった時
[デク]と呼ばれるようになった時も
「そんなふうにいずくに酷いこと言うかつきは嫌いあっち行って」
とはっきりいうタイプで
かっちゃんも何故か菜緒ちゃんには反論せず、勿論納得いかない顔はしてたけど
3人で遊ぶときはいずくと呼んでいた。
そんな菜緒ちゃんがいなくなってからは僕をいじめるかっちゃんになったが
おそらく半分は菜緒ちゃんが居なくなった寂しさを埋めるようにして僕にあたってたんだと思う
現にかっちゃんは今でも黒い髪でウェーブのかかった子を見かけると振り向いたりしてる
自分で気付いているのか、探しているのかはわからないけど菜緒ちゃんが居なくなった今も思い続けていたことは知っている。
そんな子が僕の目の前で涙を流している。