第4章 earning extra money~violet~
酒坂は菜緒を家に送り届けていた
「明日も学校だろ,遅刻すんなよ」
『大丈夫だよ。ちょっと寝ればまた目が覚めるよ』
「・・・まだ,眠れないのか」
酒坂は心配そうに菜緒を眺めた
(あちゃー言っちゃった)
『大丈夫。前よりは眠れるようになったし。』
「そうか,あんまり無理するなよ。
まっ優等生さんは寝坊できないか」
そう笑ってつげて酒坂は家から去っていった。
『本当,親ばかか。』
菜緒はそう言いつつ,にやけ
部屋に入り,浴槽に湯を入れ,今日の疲れをとった
煙草を吸いながら,学校からもらった一通りの年間行事に目を通し,教材にもすべて目を通して
『1年間の勉強終了』
と独り言を言いながら眠りについた。
眠るといつもの同じ夢を見る
お母さんの夢だ
「菜緒また,洋服全部脱いで,家でも服着なさい」
「菜緒いってらっしゃい。お母さんも今日も仕事頑張るね」
「菜緒は菜緒がやりたいと思ったことを信じてやればいいし,お母さんは応援するよ」
「菜緒....菜緒....菜緒....」
「 お母さん助けたいんでしょ
それなら言うこと聞きなよ
身体と顔だけはいいんだからさ
」
「 へーまじ いい身体してるわ 」
「 さぁ,今日は何したい,痛いことしたい? 」
「 あら,あの子死ななかったのね
本当図太く生きちゃって 」
やめて,やめて,やめて,お願いこないで
泣き叫んでも誰も助けにこない
ヒーローなんていない
ヒーローなんで糞だ
その時はっとして目が覚めた。
菜緒は起きてすぐにトイレへ駆け込み消化できてない酒と,つまみを吐き上げた。