第4章 earning extra money~violet~
菜緒は口の中が気持ち悪いため,ゆすいで時間を確認するとまだ寝てから3時間程度しかたっていなかった
それでも,
まぁ今日もこんなもんか
と菜緒は日常と言わんばかりに過ごした。
そして再び珈琲をいれ,たばこに火をつけ一服する
ヒーローか....。
ふと昔のことを思い出した
昔毎日のように仲のいい男の子二人が
「オールマイトかっこいい~」
「俺はヒーローになる」
「僕もなる」
「そしたら,私も二人みたいにヒーローになる!!」
「菜緒はダメだ!!俺の嫁にするんだ」
「菜緒ちゃんはかっちゃんのお嫁さんか~。お嫁さん姿はとっても綺麗だろうね」
「出久!たまにはいいこというじゃねーか。菜緒は俺の嫁になれ!」
「えー私もヒーローになりたい!!」
馬鹿みたいにヒーローになるってぐずってたな
今ではヒーローには憧れはない
ただ,自分の周りの人が幸せになってくれたらとは思っていた
そういえばあの2人はヒーローに向かって頑張っているのだろうか
微かな記憶の残像にある,緑の髪のもさもさと金髪のつんつんした2人。
オールマイトに憧れていた2人の家族はいい人達だった。
自分とかけ離れてる
数年後にはきっとテレビでプロヒーローになっているんだろう。
そう考えていたら朝になり,準備をする時間になっていた。
『よし,酒坂さんにもらったパンとコーヒーで朝食にするか』
そう一人で呟き,朝の支度をはじめるのであった