第20章 outbreak of war~achillea~
『え?』
菜緒の頭は元に戻っていた
『・・・どういうことですか』
「さぁな」
『殺してと言ったじゃないですか』
「約束した覚えはない」
『・・・ふざけるな!!』
「菜緒,お前はまだ綺麗だ」
『こんな時に何言ってるの』
「まだ,これからいくらでもやり直せる」
『なんで,なんであんたが綺麗ごと言ってるのよ!殺してよ』
「惚れた女だ。傍におけないのなら,せめて幸せになってほしい」
『何言ってるの。私はもう!』
「お前は人も殺してなければ,えりを守ってただろ」
『・・・けど何も,全部見て見ぬふりしてた』
「お前は善良な人間だ。もう縛られてはいけない自由に生きろ」
『なんで・・・本当は優しい人なのに・・馬鹿なことを』
「ふっお前だけにだ」
会話をしていると数名走ってきて「治崎確保!!」と捕まり
「哲学の家にも潜入し逮捕確認!!」
と声が上がった。
それと共に
「哲学娘,魅知菜緒も保護完了と菜緒も警察数人に囲まれていた」
『・・・・』
救急車,警察,ヒーローの声恐らく菜緒に声をかけているが菜緒には何一つ聞こえてこなかった
もしろ,この現状に追い込まれていた
(私は生きていい人間じゃない
私は人を見殺しにしてた
人の個性を壊す,一人の個性を壊した
私はもう・・・)
そんな時だった
「菜緒」
とたった一言自分の名前を呼ばれた声が聞こえた
菜緒はその声だけが聴こえて振り向いた
そこにはボロボロになった相澤がすぐ後ろにいた
『しょ・・・た・・・・さん』
「あぁ」
『私・・・・生きる・・・しか・・・く・・・ない・・・です』
「・・・・」
『ひど・・い・・・こと・・たく・・さん・・しちゃって』
「はぁ」
相澤はため息をついた
菜緒はその態度をみて
(も・・う・・・嫌われちゃった)
目の前が真っ暗になった