第19章 who is that girl~muscari~**
菜緒はこの実験に手を付けた時点で自分はもう死んでもいいと思っていた。
母親はもう無理だろうと
どうなってもよかった
母親で事故でした時からだ
あの時から自分の人生は死んだもんだと菜緒は思い始めていた
~2年ちょっと前~
元々勝己と出久と会えなくなった理由はあの父親の本妻が資金の仕送りを一切とめ,母親が働かないといけない状況にしたのが原因だった
その後母親は外に働くため菜緒が家事をこなし,菜緒の容姿の問題なのか女の子から好まれず,緑谷と爆豪と離れてから友達という友達も出来ず,菜緒も家の事で忙しく気にしている暇もなく月日は流れていた
そんな菜緒も中学生2年生になった
『お母さん,今日から2年生だよ!』
「ふふ,大丈夫よ。菜緒は私に似て綺麗よ」
『えへへ,ありがとう。そしたら学校へ行ってきます』
「はい,いってらっしゃい」
母と会話したのがこれで最後だった
学校へ行き少し経った後担任から急いで呼び出され
母親が事故に遭ったと聞き
急いで病院に向かった
そこにはたくさんの機械に繋がれた母親がいた
朝楽しく話したのに
菜緒はまだ中学生
この状況を理解するのには時間がかかった
だが,現場は騒然とし
医師から「他に保護者はいますか?」と聞かれ
『母と二人だけです』
「っ!緊急で手術もだし,同意書も成人した人じゃなきゃダメなんだ。これから恐らくお金もかかる。誰か周りに大人はいないのか」
『すみませんいま「ここにいますよ」
『え?』
「家庭の事情で疎遠だったこの子の父親です」
「それはよかった。緊急手術をしなければなりませんが命の保証はできませんが行ってもよろしいでしょうか」
「ええ構いません」
今,思い出すとあの医師は貼付医師であの時からすでに仕組まれていたことだったと思う
「やぁ,菜緒。初めましてかな。君の父親の哲学というんだ」
『・・・私は父親の事は存じていません』
「そうだよね。柚香が妊娠していなくなってから随分と探していたんだ」
『なんで』
「大切な妻と娘だ。当たり前だろ」
この時私は何も知らなかった
私が産まれた理由も
父親が何考えているのかも
『ありがとうございます』