第19章 who is that girl~muscari~**
最初は何か新薬を作ることだろうとしか考えていなかった
だがそこにいたのは
一人の女の子だった
「この子は俺の娘,えりだ」
『若いのにお子さんがおられるんですね』
「俺の子供ではないがな。実験をさぁ始める」
『え?』
「だから,始めるんだ」
『待ってください。色々気になりますがここにいるのはえりちゃんだけですよ』
「あぁ言ってなかったな。実験はこの子でやっているんだ」
『え?』
「なんだ,言いたそうな顔だな。だが実験は実験。交換条件を決めたならやってもらう」
菜緒は何も言えず
『・・・・わかりました』
といい実験に取り込んだ
実験は惨いことだった
小さな女の子を切り刻んで行った
菜緒は最初耐えきれずにトイレで吐いた
だが毎日続くと慣れたもので
治崎が去った後にいつも菜緒は
『ごめんね。私に助けることが出来ないの』
としか言えなかった
それに対しえりは
「お姉ちゃんもここから出れないんでしょ。なんか私の面倒見てる人が言ってたの。私が大人しくしておけば,人が死なないからいいの」
そう言ってえりは無表情にそう告げた
『・・・・・。えりちゃんはこの後は何もないから一緒にお菓子作りでもしようか?』
「お菓子つくり?」
『そう。甘いの好き?』
「食べたことあるかわかんない」
『・・・そっか。私オーバーホールに聞いてみるね』
菜緒はそう言って治崎のもとへ向かった
コンコン
「入れ」
『失礼します』
「なんだ」
『えりちゃんとお菓子作りをしたいのですがいいでしょうか?』
「なぜだ」
『あんな痛い思いしてるんです。これまでも何回か逃げ出そうとしたと聞いてます。その辛いのがやわらげればと思ったのですが』
「・・・勝手にしろ。だが逃がすようなら俺はお前にも父親だろうが容赦しないぞ」
『はぁ・・わかってますよ。それに死ぬときは死にますし,勝手に殺してください』
「あっさりだな」
『こんなことして綺麗に死ねるなんて思いませんからね』
「そうか・・・・気に入った」
『はぁ?』
「まぁいい。お前夜俺の所に来い」
『薬ですか』
「別だ」
『・・・・わかりました』