第18章 temporarylicence〜Pasqueflower*
父親が出て行った後
『今日は,きて,頂き,ありが,とうございました』
「・・・魅知さん,無理をしなくていいよ。何か飲み物に入っていたね」
「なんだって⁉全然わかんなかったよ」
「僕は鼻がいいからね,すぐわかったよ。止めなくて申し訳なかったけど」
『大丈夫です・・・玄関はこちらです』
「おい,魅知」
そう言って相澤が菜緒に触れようとした時だった
『触らないでください!はぁはぁ。お願い。触らないで』
「けどね。魅知。あんた『関係ないって言ってるの‼』
そう言って菜緒は振り切るかのように玄関まで急いで案内した。
「魅知さん。こっちに来てここから逃げるんだ」
『はぁはぁはぁ別に・・・大丈夫です』
「その薬の副作用は酷いだろ」
『っ!なんで知って・・・・・全部知ってるんですね』
「・・・」
『っ!!全部知ってたんですね!!だから,ここに来たんですよね!!だけどどうにもならない!それが答えです。いいから帰って!』
「それは違うぞ菜緒」
相澤は菜緒を呼んだ
『え?』
「どうにかなるからここに来た」
『つっ!消太さんも私だと知ってたんですね⁉私をだまして楽しかったですか⁉父親の悪事を見つけるために私に近づいたんですか⁉』
「それは違う。父親の事を知ったのはお前の事を知った後だ」
『つっ!!引くでしょう普通!こんなこと知ったら!もういいんです!!どうでもいいです!お母さんさえ生きていればいい!帰って帰って!』
菜緒はただでさえ思考が回っていない頭でで3人に泣き叫んでドアを閉めた
(バレたバレたバレたバレた
もう私は汚い汚い
嫌われたに決まってる。もう消太さんい見向きもしてもらえない!!)
菜緒は扉を閉め泣きながら座り込んだ
『あぁ私消太さんの事が好きなんだ』
菜緒はようやくこの気持ちに気付くことが出来た瞬間だった
だが
(もう何もかも遅い
もう無理だよ
そもそも私が人を好きになる理由なんでなかった)
そうやって菜緒が座り込んだままでいると
「菜緒,先方の方は帰られたのか」