第17章 punishment~hypericum~**
「・・・・は?」
酒坂は相澤の言ってることが訳が分からないという顔をした。
酒坂はリカバリーガールに助けるように視線を向けるも
「・・・・」
リカバリーガールを下を向き首を振っていた
「い・・み・・・わかん・・ねぇ・・よ。
だって
だって・・・ゆか・・・
こんなに・・・こんなに辛い人生送ってきたんだぞ
これから・・・これから・・・目が覚めて幸せにって
幸せにしてやろうって菜緒と決めてやってきたんだ。
どんなに辛かろうが今は我慢だって
ふざけんなよ・・・・ふざけんな!!」
「・・・恐らく,生命線をなんとか維持する機械が埋め込まれているんだと思います。おそらくそれがなくなればもって少しだと思います」
相澤は心苦しいが現実を酒坂に伝えた
酒坂は柚香のベッドもとに膝からくずれ
「・・・だったら・・・菜緒がやってきたことはなんだったんだ。
あいつは母親の命を何がなんでも守るって我慢して生きてきたんだ!!
なのに!!なんで!!」
「「・・・・」」
リカバリーガールも相澤も何も言えなかった
なんでこんなボロボロになった人たちに今まで気づかなかったのか
ヒーローとして,人として情けないと二人共思っていた
「とりあえず一旦学校へ戻りましょう。母親のスイッチを押すというよりは個性を外すといった形でしょう。母親の身体の中の検査を他のヒーローに当たって探ります」
「・・・・」
酒坂は無言で立ち上がった
「今は辛いでしょうが,菜緒を助けることも忘れないでください。無理やり行動したら,水面下でやってきたことが全部水の泡です」
「今はそっとしておいてやりなよ。イレイザー」
「いえ,今,冷静じゃないからこそ,言わなければなりません。貴方は菜緒の母親の恋人でもあるが菜緒の父親でもある。その自覚を忘れないでほしい」
「・・・あぁわかってる。ありがとう。相澤さん。俺は多分そう言ってもらわなかったら,あいつらのとこに行っていた」