第16章 forest camp~ajuga~
「そうか。父親とはどうなっている」
『父親とは月に数回会いますが,母親の治療費の事しか話しません。議員をやっている事は把握していますが,その家の内情は私も残念ながら把握していません』
「・・・そうか。教えてくれて,ありがとう。他に俺に言いたいことはあるか?」
『・・・別にありません』
「そうか。魅知,お前今,お金のことはどうしてるんだ」
『父親があんな金持ちです。困ってません。プライベートもおかげで充実しています』
「そうか」
菜緒は嘘をついた。
実際に父親が菜緒に飲ませてる薬もそうだが,いらぬことに手を出しているのは知っていたためそのことを聞かれるのも承知済みだった。個性も聞かれると思っていたがバレても父親にバレなければいい程度にしか考えていないため。言っても大丈夫な事だった。もしかしたら身体の事も教師陣で情報を共有しているのであれば,男がいるようにみせ,金は支援してもらい自由にやっているように見せればいい。
菜緒はそんなことを考えていた。
後は保須であった事件を教師が知っているなら病院での行動を見ているはずだが,おそらく貼付医師が症状についてもうまい具合にはぐらかしていると
菜緒は相澤は生徒の魅知としてしか知らないことを前提に考えていた
実際は相澤にとったら優先順位は菜緒の個性を知ることだ
その他の事はほとんど把握できている
相澤はこの合宿が終わったら全て把握したうえで酒坂の所へ向かう予定だいた
一方そんなことを知らない菜緒は
『これで納得して疑いは晴れましたか?』
と聞いていた
「あぁ,十分だ。ヴィラン連合も考えたが,入学当初でUSJ,学校への襲撃は早すぎるし。緑谷,爆豪と幼馴染なら,そこからの情報も考えられるが,そもそもUSJの件にしてもあいつらには伝えてないから低いしな」
『ですよね』