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PHALAENOPSIS【ヒロアカ】

第13章 past love~anemone~


昔こいつしかいねぇて思う女がいたんだ

俺が出会ったのは小学校だったかな
名前は魅知 柚香
顔立ちの整ったストレートの黒髪で何でもハキハキと言う性格だった。
親のいない柚香はよく
学校の男の子たちから
「おめぇ親に捨てられたんだろ」とよくいじめられていたが
柚香はそれに泣くどころか
「親がいないと生きていけず,めそめそするお前らよりマシだ」
と強気で言い返す女だった
そんなこんなで小学生の頃は女の子なのに男と取っ組み合いをしていた
「おい!やめろって!」
そうやっているも仲介に入るのは俺
そして何故か柚香に負けて泣いている男の子をなだめるのも俺で「柚香やりすぎ」といつも言っていた。
けどそんな柚香もいつもの男の子がいなくなると
「痛い」
と言って俺の胸に飛び込んで静かに泣くのだ
「絡まなければいいだろ」
そう言っていつも俺は抱きしめて柚香をなだめてた。
「だってむかつくじゃん。うちの家族みんなに言われたみたいで,とおるにも文句言うし」
「別に俺は気にしてない」
そう俺らは親がなにかしらの理由でおらず児童養護施設で育ててもらっていた。
「うぅ~」
「ほら泣かない」
そう言っていつも柚香を慰めるのは俺の役目だ
それが嫌だと思ったこともなければ
他の誰かが俺のポジションに来るのは絶対嫌だと思っているくらいだった。
そうやって小学校生活を過ごしていたが
俺たちは中学生になった
その頃俺は思春期,反抗期真っ盛りだった
柚香が日に日に綺麗になって男たちの目を奪うのも気に食わなくなり
俺は柚香に対しても酷い態度をとっていた
「とおる学校一緒に行こう」
「先行けよ」
「なんでよ」
「なんでゆかとそもそも一緒に行かなきゃなんねぇんだよ」
「なんでそんなこというの」
「うっせぇ」
突き放すような言葉だったと振り返っても思う。
酷い言葉を何回も柚香に向かって吐いていた

けどそんな時でも
コンコン
「はい」
ガチャ
「とおる」
「んだよ」
柚香は泣きたいときは決まって俺の胸に縋り付いてきた
俺もその時だけは突き放すことが出来ずたた黙って昔みたいに抱きしめるだけ
あの頃,柚香は今度は男からじゃなくて女からのいじめに合ってたんだと思う
男より女のいじめの方が粘着質でたちが悪いからなおさら柚香はつらかったんだろう
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