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【黒子のバスケ】帝光の天使(中学校編)

第1章 プロローグ ー天使は飛び立つー


ある日、靴が隠された。
騒ぎになる前に見つかったが、犯人はわからなかった。
それが何回か続き、ついに靴はなくなってしまった。

次は教科書がなくなった。
見つかったときは校庭の水溜りに浸っていた。

それ以降も、ペンケース、リコーダー、体操服…
いろいろな物がなくなって、返ってくる物こない物様々だった。

しかし、どんなに物がなくなろうとも律は泣かなかったし、怒らなかった。
愚痴ることもなかった。
いつも笑って、一緒に探してくれる先生や友だちに謝罪と礼を繰り返した。

ただそんなことが続くと、今度は今まで仲良くしてくれていたクラスメイトも次第に律を避けるようになっていった。
誰が律に嫌がらせしているかわからない。
律と仲良くしていれば次は自分がそうなるかもしれない。
そんな恐怖がそうさせた。

それでも律は毎日登校した。
先生が心配して声をかけても律は笑顔で「ありがとうございます」と言い続けた。

そうしている内に、今度は律自身に危害が加えられるようになった。
体育の授業ではわざとぶつかられたり、足をかけられ転ばされることもあった。
シューズに画鋲が入れられていることもあったし、ひどいときはカッターの刃が潜ませてあるときもあった。

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