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【黒子のバスケ】帝光の天使(中学校編)

第6章 ー天使の穏やかなる放課後ー


そこからはまた二人の時間。
しかし、それももうすぐ終わりに近づいている。
それを律も自覚しているのか、帰り道の出来事を振り返り商店街の人たちの話や赤司が乳児を救ったのがかっこよかったという話を楽しそうにしている。
足取りは軽く、スキップー歩手前だ。
体調は良好らしい。
ふと、体の横でひらひらと振られる律の手が視界に入る。
もしその手を取り、手を繋いだら律はどんな反応をするだろうか。
そんな興味と欲望が沸き上がる。
しかし、そんな感情を認識した次の瞬間には、きっと笑って受け入れて手を繋いで歩いてしまう律を想像できてしまい実行に移すのはやめた。
きっと自分以外の者がそうしても同じようにするのだろう、と。
それでは意味がない。
そうされればやるせなくなる。
もう、自分の気持ちには気づいている。
律は自分にとって特別な存在なのだと。
そんなことを考えている間に律の家に着いてしまった。
大きな門の前で律が赤司を振り返った。

「赤司くん、送ってくれてありがとー。今日はいろんなことがあって楽しかったよ」

「どういたしまして。オレも橘といると楽しいよ。明日からはテスト期間だからひとまず勉強にベストをつくそう」

そうして右手を差し出した。
律も右手で握り返すと嬉しそうに「うん!」と返事をした。
きっと激励の握手と捉えているのだろう。
今はこんな形でしか手を取ることができない。

(でも、いつかきっと君と横並びで手を繋いで歩みたい)

そのいつかのために律の横に並び続けることができるだろうか?
いや、自分が横にい続ける。
こんなに誰かに執着したことはない。

そんな自分に苦笑しつつも、それを律に気づかせまいと余所行きの笑顔で打ち消した。
名残惜しいが律の手を放し、門の中に消えていくまで見送る。
そうして、ようやく自らの帰路に着く。
その道中、思い出されるのは今日のこと。
それだけで胸が温かくなる。
家に帰ればきっと迎えの車を断ったことを父に問われるだろう。
それでも、今日の律とのやり取りを思えばなんてことはない。
今はこの胸の温かさを大切にしたい。
明日から部活がない。
クラスが違う律とはそうそう会えないのだから。
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