• テキストサイズ

【黒子のバスケ】帝光の天使(中学校編)

第7章 ー天使の古巣ー


「帝光中の赤司がうちに何の用だ?はっ!もしや偵察…?遂にうちも帝光中から偵察されるくらいのチームになったってことか!」

一人で盛り上がっている木吉に赤司は穏やかな笑みを浮かべながら、

「いいえ、今日用事があるのは男子バスケ部ではなく…」

と断りを入れた。
木吉はそのひと言に少しがっかりしたようだったが、赤司はそのまま木吉の顔色を窺うように見つめる。

「今日は今年うちに転校してきた天野久遠について話を聞きたくて来ました。なので、彼女のことを知っていそうな部員に繋いでもらえませんか?」

さも標的は違うところにいると言わんばかりに赤司の口調はサラリとしたものだった。
しかし『天野久遠』の名が出た瞬間に木吉の顔から笑顔が消えた。

(あぁ、やはり…)

木吉は久遠の過去の何か知っているのだと確信した。
それもかなり深いところの淀んだものを。
しかし、赤司が「天野を知っているんですか?」と口にする前に木吉は赤司の腕に掴みかかっていた。

「久遠は!久遠は今、帝光中にいるのか!?バスケは!?バスケは続けているのか!?」

腕を掴む力もさることながら、先程までののほほんと笑顔を浮かべていた木吉の必死の様相への変貌は木吉にとっての久遠の存在の大きさを感じた。

チリリ。

胸の奥底が微かに痛む。
その痛みが何であるかなど赤司にはすぐに思い当たる。
しかし同時にそんな痛みなど取るに足らないこともわかっていた。
確かに木吉は久遠の過去を知っているかもしれない。
しかし、それだけだ。
木吉の様子を見れば察しがつく。
久遠はこの古巣で何かあった。
その何かの後、久遠は木吉との関係を絶っているようだ。
そうでなければ久遠の所在や近況に木吉がこれほどまでに過剰反応はしないだろう。

「天野は四月から帝光中に転校してきました。プレイヤーとしてバスケはしていません。今は俺たち男子バスケ部のマネージャーをやっています」

訊かれたことにだけに簡潔に答える。
まだ久遠と木吉がどのような関係かが見えない。
今はまだ不用意に情報を与えるべきではないと赤司は判断した。
/ 77ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp