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【黒子のバスケ】帝光の天使(中学校編)

第5章 ー天使の祝福ー



「でもね、学ぶっていうのはお勉強とはちょっと違うんだよー」

ゆったりと話を続ける律に「そうなんスか?」とついつい再びそちらを向いてしまう。
それを律は興味を持ってもらえたと思ったらしく、すこし嬉しそうにぴょこんと肩を跳ねさせた。

「うん!“学ぶ"っていう言葉はね、もともと"まねぶ"っていう言葉でね、真似をするっていうのが語源なんだよー」

「へー、橘さんってハクシキなんスねー」

「えへへ、諸説あるけどねー。でね、黄瀬ちゃんってさ、他の人のいいなーって思ったプレーを真似して練習してるときあるよね?だいたい青峰くんのプレーが多いかなー?」

「あ、気づいてた?オレ、青峰っちみたいなプレーがしたくてバスケ部に入ったんだよね。でもなかなか上手くできなくってさー。なのによくわかったッスね?」

「青峰くん、上手だもんねー。でもね青峰くんみたいにできなくても、そうやって真似して学んでるから黄瀬ちゃんはドンドン上手くなっていってるんだと思うんだー」

「そうなんスかね?」

「そうだよー。黄瀬ちゃん、他のスポーツもすぐ上手になっちゃうでしょ?」

「そうそう!何やってもそれなりにこなせちゃうんスよねー」

「すごいねー」

「でもバスケはなかなか難しいッス」

「うん、バスケはねー」

そう言うと律は体育館の中を覗き込み何かを確認すると黄瀬の方を振り返った。
その表情は良い事を思いついたと言わんばかりに、少しだけいたずらっ子のように輝いていた。

「黄瀬ちゃん、律と1on1やらない?」


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