第1章 不死川実弥との出会い
図書準備室とは今まで借りられた本の記録や新しく入った本や廃棄する本を収納しておく場所
そもそもうちの図書室は普段使われないのでこの部屋もあまり意味を生していない
図書準備室に連れ込まれガチャリと鍵をかけもう一度私に問う先輩
「本当にいいんだなァ」
今更断る気もない
だが、先輩はまだ私の心配をしてくれるらしい
「...先輩、私許嫁がいるんです」
ソファに押し倒された状態で話し始める
「私が四季川財閥のお嬢様だって事はもう知ってますよね?」
「あァ」
「そんな家の娘だから生まれた時から許嫁がいるんです高校を卒業したら婚約する手筈です」
「...ならやめておくかァ」
そっと私から離れようとする先輩
けれどそれを止めるように手を掴む
「婚約したらもう私は二度と他の男の人に触れることは叶いません
そんなのつまらないじゃないですか」
別に許嫁の彼が嫌いな訳では無い
むしろ好印象だ
顔は整ってるし性格も良い作った料理はうまい!と言いながら食べてくれる
非の打ち所がない好青年だ
「俺は婚約するまでの暇つぶしって訳かァ」
「...不死川先輩だって美人な彼女さんがいらっしゃるじゃないですか」
そう、私だけじゃない
先輩には胡蝶カナエという学園三大美人の1人に数えられる程に美しい彼女がいるのだ
「俺も人の事言えねぇなァ」
自傷気味に言う先輩
そしてまたこちらを見つめて
「もう後からやっぱりやめておくは出来ないからなァ」
「そんなこと言いませんよ」
そう返すと先輩はあの時のように癖になりそうなねっとりとしたキスをし始めた