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金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第4章 相対する2人


全てを見透かしているかのような杏寿郎の目が真っ直ぐに私を見つめる



「え?何って、勉強だけど」


「本当か?」



ここで動揺してはいけないし、かと言って平然すぎるのも良くない

少し困惑する程度でいい

どちらも度が過ぎると逆に怪しまれる



「どうしてそんな事聞くの?」


「さっき不死川先輩から冬華を抱き移された際に感じた匂いは先週君からした男の匂いと同じものだった

一体どういう事だ?」



そりゃそうだ、先週も今週も同じ相手と同じ事をしているのだ

匂わないわけが無い

それに先週は電車が混んでたと言い訳したのに今日先輩から全く同じ匂いがしたら不自然に思わないわけが無い



「...本当に分からないんだけど..」


「嘘をつくな」



とぼけてもピシャリと言われてしまい通用しない


最早バレるのも時間の問題か?

そう思ったがここでバレるわけにはいかないバレたらバレたであとが怖い

まぁ処女を失ってる時点でバレてるも当然なのだがそこは自慰をした時に奥へ入れすぎてしまったと言い訳しようと思っていたのでここでバレるのは非常にまずい

だとしたら心苦しいが嘘を突き通すしかない



「どうした、言えないようなことなのか」


「....ごめんなさい」


「何に対しての謝罪だ」


「先週、本当は先輩に数学で解らない所を教えてもらってたの

電車は混んでなかった...
嘘ついてごめんなさい」



嘘をついたことを謝罪したそばから嘘を重ねる、一体どれだけの嘘を重ねればいいのだろうか

そしてピキっと杏寿郎のこめかみに血管が浮きでる



「なぜ嘘をついた」


「杏寿郎、怒るかなと思って...」


「素直に言えばこんなには怒らなかったぞ」


「っ...ごめんなさい」



杏寿郎は今相当キレてる

立ち上がるとこちらへ歩いてきてピタリと止まった殴られるくらいの覚悟はして目を瞑った



しかし杏寿郎のとった行動は私の予想に反するものだった
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