• テキストサイズ

金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第4章 相対する2人


何とか上手く乗りきった

一安心したものの杏寿郎の私を抱く力が少し強い事に気がついた



「ごめんね杏寿郎、重いでしょ」


「よもや、そんなことを気にしていたのか?全然そんな事ないぞ、寧ろちゃんと食べているのか?」



そういう所が人タラシなんだよなぁと思いながらありがとうと返す



「だが...」


「ん?」



杏寿郎からスっと笑顔が消える



「だが、事が事だったとはいえ...俺以外の男にあんなに密着していたのは頂けないな
嫉妬してしまうではないか」



まさかの返事に少しポカンとしてしまったがたちまち笑いが込み上げて来る



「あははっ、杏寿郎嫉妬してくれたの?」


「笑い事じゃ無いぞ!?あの先輩に横抱きにされている冬華を見た時俺は先輩を殴り飛ばしそうだったぞ?」



確かにあの時の杏寿郎はかなり怖い顔で先輩を睨みつけていた

だけどそれが嫉妬してくれたからだなんて

心がほわほわしてさっきまで最低な行為をしていた私を洗い流してくれるような気分だった



「杏寿郎のそういう所大好きよ」


「俺だって冬華のことを愛しているぞ?」



サラリと恥ずかしいセリフを言ってのける杏寿郎

柄にもなく照れてしまいそれを隠すように杏寿郎の首に顔を埋める



「よもや、照れているのか?可愛い顔を見せておくれ」


「やだ...悔しいから絶対に見せない」


「それは困ったなぁ」


「もう!杏寿郎!?」


「悪い悪い」



あんまりからかうものだから少し怒ると悪びれる様子もなく謝罪の言葉を並べる

まぁ、いいか

そう思ってその日はタクシーを途中で捕まえて家よりかはほど近い杏寿郎の家に泊まることになった


杏寿郎がある違和感を感じているとは知らずに
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp