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金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第4章 相対する2人


「杏寿郎!!」



声をかけるとこちらを振り向きギョッとする杏寿郎

そりゃそうだろう自分の許嫁が知らない男に横抱きにされてるのだ

私だって杏寿郎が知らん女を横抱きにしてたら驚くわ



「どうしたんだ!?」



焦った様子でこちらへ駆け寄り先輩を睨みつける杏寿郎

まさか馬鹿正直にヤリまくって腰痛めましたなんて言えるわけが無い



「実は高いところにある本を取ろうとしたら踏み台から足踏み外して腰うっちゃって...

動けなくて困ってたら図書委員の先輩がここまで抱っこしてくれたの」



自分でも驚くくらいスラスラと口からでまかせが出てくる

詐欺師にでもなれるんじゃないか

そう思った



「そうだったのか、気をつけなければダメだろう!」



怒った様子の杏寿郎



「ごめんなさい」



少し困った顔で謝ると次から気をつけるんだぞとお小言が飛んでくる

そして先輩に向き直ると



「よもや、睨みつけてしまって申し訳ない!不死川先輩といったか!俺の許嫁を助けてくれた事感謝する!!」


「ありがとうございます」



私もお礼を言うふりをして先輩の方を向き目で合わせろと合図をする



「..気にすんなァ...ところで許嫁?今のご時世珍しいなァ」


「うむ!俺たちは幼い頃から許嫁として育ってきたんだ!!」


「彼とっても優しいんですよ」



今どき時代劇じゃあるまいし許嫁なんて珍しいだろう

そこを突かないと怪しまれる

先輩もちゃんと理解して質問してくれた



「ではそろそろ俺が引き受けよう!」


「あァ頼む」



先輩から杏寿郎へ抱き移される

先輩より高い体温と杏寿郎の匂いが私を包む



「後日改めて礼をさせていただきたい!!」


「気を使わなくていい、たまたま俺が居合わせただけだからなァ」


「それじゃあ私たちの気が済みませんから、お礼させてください」


「.....わかったァ、でもあんまり気にすんなよォ」


「あぁ!!ではそろそろ俺達は失礼する!!」


「本当にありがとうございました」


「おォ気をつけろよォ」



先輩にぺこりと頭だけ下げて校門へ向かった
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