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金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第2章 煉獄杏寿郎という男


洋服に着替え髪を整えてから軽く化粧をして杏寿郎が先に待つダイニングへ向かった

扉を開けると既に朝食が用意されていて美味しそうな匂いは昨日から何も食べていない私には十分すぎるくらいに空腹を刺激した



バターのいい香りがするパンにいい具合に半熟に仕上がってるスクランブルエッグとオニオンスープに温野菜


いつも美味しいのだが空腹だったのも相成ってあっという間に平らげてしまった



「それでは、出かけるか!」


「えぇ」



いってきますと見送りのメイドと執事に告げるとニコリと笑って行ってらっしゃいませと見送られた


自然に手を繋いで指を絡めてくる杏寿郎

本当にこういう所がこなれているというか何と言うか...



目的地はここから都内にある百貨店

私は別にショッピングモールにある洋服屋で構わないのだが...というかむしろそっちの方が好きなのだが四季川家の人間たるもの...と父が煩いので百貨店などの少し高めの場所で買う


百貨店内に入りいつも私が服を買う店に入り並べられている服を吟味する



買い物は早い方なので購入する物はほとんど決まったのだが、最後にコートの色違いで迷っていた

くすんだ青色とブラウンのベルベット素材のコート

どっちにしようか決めかねてかれこれ十数分



「決められないのか?」


「えぇ、どっちが似合うと思う?」



杏寿郎の方を向き交互にコートを当ててみせる



「そうだな、」



顎に手を当て悩む杏寿郎

その姿だけでも様になる



「どちらも良いが冬華にはこっちが似合うな」



そう言って杏寿郎が選んだのは青色の方



「杏寿郎が言うなら間違いないわね!こっちにするわ」



店員さんにお願いし買った洋服を包んでもらい袋に入れてもらった


受け取ろうとすると横からヒョイと持ってかれるお店のロゴが入った紙袋



「よもや、君に持たせるわけないだろう」


「え、でも重いわよ?」


「大差ない」


「ありがとう」



こういう紳士的なところも彼の魅力の一つなのだろう



店員さんのありがとうございましたという声を後に次は杏寿郎の服を選ぶべくまた別の店に入った
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