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金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第2章 煉獄杏寿郎という男


目を覚ますとまず目に入ったのはよく鍛えられた胸板


少し見上げるとまだ眠っている杏寿郎

眠っている間に着流しがはだけてしまったのだろう

ガッチリホールドされていて全く動けない為首だけ動かして時計を見ると時刻は8時30分


いつも休みの日の起床は9時なので少し早く起きたらしい


目線を杏寿郎に戻す

昨日はあんなに大人の表情だったのに眠っていると年相応よりか少し幼く見える


いつも私にしてくれるみたいに頬を撫でる

しかし本当に整った顔だ
まつ毛なんて一体爪楊枝何本乗るんだってくらい長い



「んん...」



顔をぺたぺた触ってたらうっすらと目を開けた杏寿郎



「ごめん起きちゃた?」


「いや、大丈夫だ....おはよう冬華」


「おはよう杏寿郎」



優しい微笑みかけてきて微笑み返すと額におはようのキスが落とされる



「キス魔め」


「嫌いじゃないだろう?」



終始イチャイチャしながら朝の戯れをする



「今日はどこへ行こうか」



問いかけてくる杏寿郎

そう、毎週土曜日は2人で出かける日なのだ

以前あまりにも2人が許嫁らしくないから出かけなさいと私の父と杏寿郎のお父様の槇寿郎様が決めたのだ

別に仲が悪かった訳では無いが特段会う理由もなかったので会わなかっただけなのにうちの父の心配性が発動したのだ



「そろそろ冬物の服が欲しいと思ってたの」


「ではそれを買いに行こう」


「杏寿郎の服も見繕ってあげる」


「冬華はセンスがいいからな、期待している」



そう言うと布団をめくってベッドから降りる杏寿郎

今まで横にあった温かさが急になくなり少し寂しい



「もう少しだけゆっくりしない?」



まだ少しこの時間を過ごしていたいので、提案したが

アウトドア派の杏寿郎はそれを良しとせず私をベッドから抱えて下ろした



「むぅ」



少しむくれてみると



「よもや、そんな可愛い顔をしても無駄だぞ?
早く準備をしでおいで」



私の扱い方を熟知している杏寿郎にとっては小さい子供が駄々をこねるのと同じ容量らしく簡単にあしらわれてしまった
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