第2章 煉獄杏寿郎という男
チュ、チュ、と触れるだけのキス
額、瞼、頬、首筋、鼻
焦らすようにキスの雨が降ってくる
早く1つになりたい
そんな思いが繋がっている手から流れてくる
私もそれに応えるように体を少し起こし杏寿郎の口にわざとリップ音が響くようにキスをした
すると、それが合図かのように今度は口に落としてきた
でも今度はさっきまでの触れるだけのキスじゃなくて長いキス
先輩の時とはまた違う熱くて甘いキス
少しだけ乾いた唇が私の口を啄むかのように貪る
舌でトントンと唇をノックされたので少し開けると待ってましたと言わんばかりに勢いよく私の口内に侵入してくる杏寿郎の舌
体温が高めの杏寿郎の舌はとても熱くてそれでいて甘い
気を抜いたら直ぐにトロトロに溶けてしまいそうになる
「ふっ、んんっ..ふぁあっ」
キスの合間に漏れる声も雰囲気を高める興奮材料となっている
杏寿郎の目が段々と獰猛な動物のような目に変わる
「あまり可愛い声で鳴かれると困るな」
「だって、んん、ひぁぅ」
「あんまり困らせるようならお仕置だな」
キスだけならもう数え切れないくらいしている
すなわち杏寿郎は私の口内の弱い所を知っている
お仕置という名目で私の弱い所を責めまくる杏寿郎
舌の裏や歯の羅列をねっとりとなぞる
ぴちゃぴちゃという音が部屋に響く
「んんあっ、ふぁあっ..んんふぁ、ひゃぁう」
16歳のくせになんて目付きだ
それくらい大人の雰囲気を醸し出している杏寿郎
「んんんっ、きょ、っんぅ..じゅろ」
「何だ?」
「もっ、らめっっ、、っふぁぁぅ」
口内は杏寿郎に開発されまくっているので彼の手にかかれば行為に及ばなくても私をキスだけでイカせる事は可能
案の定弱い所を責めまくられた私は軽くイキかけている
それを悟った杏寿郎はさらに激しくキスをしてくる
「ふっぁぁ、きょ、じゅっっろぉっ...」
そして私は1分も経たないうちに口付けだけで甘イキしてしまった
「っっ〜〜〜〜!!」
口の中に収まりきらなかったどちらのとも分からない唾液が口の端から垂れていて目はトロンとしてる
「本当に可愛いぞ冬華」
はぁはぁと荒く息をしながら肩を揺らす私の耳元で杏寿郎は低くそう囁いた