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金曜日の放課後図書室で【鬼滅】

第2章 煉獄杏寿郎という男


用意されてたネグリジェを着て髪の毛を乾かしてもらい部屋へ戻った


私の様子を心配して杏寿郎を呼び出したメイドもいつも通りに戻った私を見て安心していた


部屋に入ると椅子に座って本を読んでいた杏寿郎

服装は夜用の着流しに変わっていたので私が風呂に入っている間に着替えたのだろう


どうやら内容に集中していて私が入ってきた事に気づいていないらしい

驚かせてやろうと思い音を立てないようにそっと近づき後ろから抱きついた



「何呼んでるの?」


「あぁ、戻ったのか

千寿郎に勧められた戦国時代が舞台の小説なんだが中々面白くてな
つい見入ってしまった」



千寿郎とは杏寿郎の弟の事

煉獄家は遺伝子が強いらしく2人とも顔がそっくりだ


そして杏寿郎は無類の歴史好き

内容に没頭して私に気づかないのもしょうがない


すると本を置き手を引いてベッドに押し倒す杏寿郎
首元に鼻を近づけスンスンと先程のように匂いを嗅ぐ
まるで犬のようで笑ってしまった



「よもや、何を笑っているのだ」


「ふふっ、だって杏寿郎が犬みたいなんだもの」



堪えきれなくてクスクスと笑ってしまう



「むぅ、そんなに犬に見えるか?」



眉を寄せながら不機嫌そうにこちらを見る

その仕草さえも忠実な犬に見えてしまいますます可笑しい



「まぁいいか、君が笑っているなら」



フッと大人の表情になった杏寿郎が私の頬を撫で額にキスを落としリップ音が部屋に響く



「君から他の男の匂いが消えたから良しとしよう」



満足気に言う杏寿郎



「私には杏寿郎だけよ」



思ってもいない言葉をつらつら並べ私の頬を撫でている杏寿郎の手に私の手を重ねる



「嬉しい事を言ってくれるな、早くこの手で冬華を抱きたい」


「だめよ、高校を卒業するまではって禁じられてるでしょう?」


「分かっている」



愛おしいものを見つめる目でその瞳に私を写す杏寿郎


でも、ごめんね杏寿郎


私はもう別の人とシてしまったの

そんなことを考えながら杏寿郎を見つめた
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