第1章 噴きあげ!
「む!おかえり!」
「ただいまぁ〜」
「た、ただいま…」
ー久しぶりにただいまって言ったなぁ…
高校生になりたての頃からずっと両親は海外出張で、一人暮らしだったから私は久しぶりのただいまに胸がポカポカと暖かくなってきた。
「今日からここがお前ん家なんだから、気張らずにいろ、いいな?」
宇髄先生は子供みたいに笑って私の肩に腕を回す。
「あ、ありがとうございます…!」
そうだった。
2人は家族じゃないにしても、家に誰かがいて、おかえりと言ってくれることやただいまと言ってくれることはこんなにも暖かい。
煉獄先生も私の反対の肩に腕を回し、目を細めて笑いかける。
「ならここで敬語は不要だな!俺と宇髄のことも呼び捨てにするといい!」
「そうだな!ド派手に名案だ!」
宇髄先生と煉獄先生は私を間に挟んでガハハと盛り上がっている。
「えっ?!いや、あの、それは申し訳ないですよ!」
「俺らがいいって言ってんだからいいんだよ」