第1章 噴きあげ!
飲みかけのお茶が入ったペットボトルも転がっているし、何よりタバコの吸殻が灰皿からこんもりと零れていた。
ーこ、これが男2人の同居なのか…
「ゴミ袋と掃除機を貸してくれませんか?」
「ふむ!ゴミ袋と掃除機だな!」
煉獄先生は収納棚を開けて、ゴミ袋と掃除機を取り出し、コンセントにさして、渡してくれた。
「いいけどよ、何するつもりだ?」
「掃除です」
せっせと床に散乱したゴミを捨てて、宇髄先生に捨てる許可をもらったスケッチをゴミ袋の中にいれていく。
灰皿も綺麗にして、掃除機を稼働し、床のほこりやらを吸い込んでいった。
しばらくこうやって掃除をしていると、部屋は見違えるかのように綺麗になっていた。
「おぉ…お前、ド派手にすげぇな…」
「よもや…」
私は額に滲んだ汗を拭い、ふーっと息を吐いた。
「家賃はいらねぇからよ、その代わりにここで働いてもらうっつーのはどうだ?煉獄」
「うむ!それは名案だな!いいか?」
私には断る理由なんてなかった。
家事炊事は全般1人で今までこなしてきたし、お金を払わなくてよいのならこれ以上に美味しい話はなかった。
ー煉獄先生と一緒だし…
「はい!それで大丈夫です!」
「よし!じゃあ決まりだな!」