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【あんスタ×ツイステ】奇人と魔法とあんさんぶる!

第1章 異変


「好きな席に座ってちょうだい」

ヴィルさんはそう言って、いわゆるお誕生日席に座った。
そのすぐ隣の席には帽子の男性がおり、あとは私達の人数に合わせて空席になっていた。
私はその中からヴィルさんから見て1番後ろになる場所に座った。隣には一瞬女の子と見間違えそうな美少年が座っている。

「どんなご馳走がくるんだろう。楽しみなんだゾ!」
「みっともないよグリム」

大はしゃぎするグリムさんをユウさんは恥ずかしそうに注意している。
そんな光景を隣から微笑ましく見ていると、ユウさんがこちらに気が付き更に恥ずかしそうにしていたが、私は彼らのこういう所は見ていて楽しいなと思った。
……私はこの2人に割って入ってしまって大丈夫なのだろうか。

「さて、みんな。今日も有難く頂くとしましょう。いただきます」
『いただきます』

揃って食事開始の挨拶をした。
したはいいが、私はこういう格式高い感じの食事の仕方はあまり知識にない。
先程の男の子を見ると、彼もかなりぎこちない動きで食べていた。
どうしようと思っていると、向かいで優雅に食べていた宗さんが私を怪訝な目で見ている。

「小娘、食欲がないのかね」
「そういうわけでは無いのですが……」
「まさか、作法が分からないとは言わないだろうね?」

私が俯くと彼は盛大にため息をついた。

「これだから俗物は……」
『あら宗くん、あんまりそういうこと言っているとお友達いなくなっちゃうわよ?』

それを微笑ましそうに見ていた(?)マドモアゼルは言う(正しくは宗さんの腹話術だけれど)。
なんだかんだ言って彼は優しいし、マドモアゼルには弱い。なのでとても親切に、丁寧に教えてくれた。
そのやり取りを見ていたのであろう、ユウさんとグリムさん、それに隣の美少年はかなり驚いていてはいたけれど。

そんなこともあったが、私達はその後とても楽しい食事の時間を過ごした。
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