第1章 異変
5つ目の鏡から入った世界には、御伽噺に出てくるような美しいお城のような寮が建っていた。
「よく来たわね。アタシは寮長のヴィル・シェーンハイト。そしてここはポムフィオーレ。美しき女王の奮励の精神に基づく寮よ。他の詳しいことは食事でもしながら説明するわ。大丈夫よ、アンタ達の分もちゃんと用意してあるから。ついてらっしゃい」
確かに私はお腹が空いてきていた。
元々放課後だったし、今までの案内もかなり早めてもらったが、4つも寮をまわればもうすっかり夕食どきなのだ。
だが、この先の寮の方を待たせるわけにはいかない。
私がそう意見を言うと、ヴィルさんは笑った。
「大丈夫。他の寮長達も分かってるはずだし。ほら、早くしないと置いてくわよ?」
彼はそう言うと前を向いて歩き出した。
私も彼と他の皆に遅れないように後ろからついて行った。