• テキストサイズ

【あんスタ×ツイステ】奇人と魔法とあんさんぶる!

第1章 異変


4つ目の鏡の中に入った途端、ひんやりとしていたオクタヴィネルとうってかわり、汗ばみそうな暑さに包まれた。

「よく来たな!待ってたぜ!」

元気よく声をかけて出迎えてくれたのは、色黒な肌に白い髪が映える笑顔の似合う男子生徒だ。
そして隣には控えるようにもう1人。

「すまないが、一応こいつはそれなりに地位のある家の跡取りなんだ。俺の家は代々その家の付き人をしていてな。だから疑っているわけじゃないが、同行させてもらう」
「ごめんな、ジャミルは心配性なんだ。悪気はないから許してやってくれ」
「心配性って……。何かあってからじゃ遅いだろう」

それはその……ジャミルさん? の言う通りだろう。

それはそうと、意外とこの歳で執事をやってる人って多いのだろうか。
私と同じ、もう1人の転校生くんも執事であるので親近感が湧く。

「ま、いいや。とりあえず行こうぜ」
「まてまて、まだ自己紹介も何もしてないだろう」
「ん? あぁ、そうだった。オレはカリム・アルアジームだ!」
「全く……。俺はジャミル・バイパー。それで、ここが砂漠の魔術師の熟慮の精神に基づく寮、スカラビア」
「それで、オレがこの寮の寮長な! んじゃ、今度こそ行こうぜ!」

はぁ、とため息をつきながらも、ジャミルさんはやれやれといった様子で笑っている。
そんなやり取りをして、私達は凸凹仲良しコンビとも言えるような2人に連れられ寮へと入った。

中は意外と涼しく、快適だった。
初めは奏汰さんが途中で倒れてしまうのではと不安ではあったが、むしろ危険なのは別の人だった。

気温が高いだけあって、日が照りに照っているのだ。しかも地平線に沈みかけているそれの光は強く、外に居なくとも窓から差し込み容赦なく襲いかかる。
気がつくと、渉さんが真っ青になった零さんを支えながら歩いていた。

「す、すみません」

私が声を出すと、みんな立ち止まってくれた。
説明中だったカリムさんを除いて。

「おい待てカリム。自分の話に夢中になるな」

ジャミルさんがカリムさんの肩を掴んで無理やり引き止める。
私が急いで零さんの体質のことを伝えると、カリムさんとジャミルさん、それにユウさんとグリムさんは驚いていたが納得してくれた。

彼らは直ぐに空き部屋へと案内してくれ、零さんが回復するとお礼を言ってそこを後にした。
/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp