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【あんスタ×ツイステ】奇人と魔法とあんさんぶる!

第1章 異変


軽音部部室。
そこには、不機嫌そうな顔をした銀髪の生徒に、瓜二つの顔をもった2人の銀髪の生徒よりも幼さをもつ生徒がいた。

「あれ、今日は何しに来たんですか?」

双子の片割れ、水色のヘアピンとヘッドフォンを首からかけた方が私に喋りかけた。
口下手な私に代わり、私より少し遅れて部屋に入ってきた黒髪の先輩は答える。

「少し体調が優れなさそうじゃから、我輩の棺桶をかそうと思っての」

すると、銀髪の生徒が怒鳴るように言った。

「はんっ、さっき急にギター弾くのをやめろとか慣れてもないくせに、SNSで伝えてきたのはそういう事だったのかよ。ったく、こっちは気持ちよく演奏してたってのに…」

すると、双子のもう片割れがぶつくさ言い始めた彼の言葉をぶった切るように言う。
彼は、もう片方と区別するためにピンク色のヘアピンをして、同色のヘッドフォンを首にかけている。

「でも、言うこと聞いて大人しくやめちゃうんだもんね〜。今も再開しないのは、あんずさんのことが心配だからでしょ?」

からかわれ、顔を真っ赤にしながら彼は狼のごとく噛み付くように反論した。

「んなわけねぇだろ!」
「全く素直じゃないんだから〜」

と、水色の方がからかい始める。

いつもの光景に微笑みながら、部長でもある棺桶の持ち主は、私を彼の普段使っている寝床へと、棺桶へと通された。

「活動が終わる頃には起こしに来るから、ゆっくり休むが良いぞ。我輩たちは防音室でも借りてくるわい。このままだと、わんこが機嫌を損ねたままになってしまうからのう……。何かあったら来るが良いぞ」

おやすみ、と言い残し彼は棺桶の蓋を閉めた。
しばらく物が動く音と足音が聞こえ、そして遠のくと先程の賑やかさが嘘だったかのようにしんと静まり返った。

私はその心地の良い静寂に、ゆっくりと瞼を閉じていった。
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