第1章 異変
3つ目の鏡を通ると、そこはまるで海の底のような美しく神秘的な場所だった。
寮と思われる建物と、他の寮にはなかった建物の2つがある。
「あ、やっときたぁ」
「お待ちしておりました」
片方はとても楽しそうに、もう片方は礼儀正しくお辞儀をしながら出迎えてくれた。
見た目からして双子だろうか、つり目たれ目の違いはあるが顔はそっくりだ。
ターコイズの髪色に2人で対象になった黒いメッシュとオッドアイがとてもよく目立つ。
私はあの子達を思い出し、少し寂しくなった。
「すみません、今の時間寮長は手が離せませんので、寮の案内は僕達がさせて頂きます。僕は副寮長のジェイド・リーチ。そしてこちらが」
「双子の弟、フロイドでぇす」
「よろしくお願い致します/よろしくねぇ」
と、息ぴったりに挨拶すると2人は早速寮の案内を始めてくれた。
案内の最中、奏汰さんはとても楽しそうに目を輝かせながら小さな子供のようにはしゃぎ、私達はそれを微笑ましく眺めた。
それを見た双子が何か企むような笑顔をしていたことに私は気が付かなかった。