• テキストサイズ

 醒めない夢を 【短編集】【R18あり】

第8章 花を手折る トレイ・クローバー


「んぐっ?!ん、んんっ!」

やけに甘ったるいどろりとした液体が喉を流れていく。

「っぷはぁ!ゲホゲホっ、がはっ…」

口端からさっきの液体が流れて顎をつたう。
すると、急に視界がぐらりと揺れ、体温が上昇してきた。

「はあっ、はあ…ら、らにこれぇ…」

呂律が回らなくなり、頭がぼーっとしてくる。
呼吸も浅くなり、熱が身体中を這っているようだった。

「媚薬だよ、これでお前の恥ずかしいところを撮って学園中にばら撒き、ここに居られなくさせてやる」

不良が私のブレザーを無理やり両側に引き裂くと、ボタンが弾け飛び、床に転がっていく。
抵抗したくても体はぐったりと重たくなっていて動きそうにない。

「おい、カメラだ、カメラ寄越せ」

不良が後ろを見ないで手を差し出す。
ポン、とカメラが手の上に置かれ、不良は私にレンズを向けようとしたが、カメラには無数のヒビが入っていた。
レンズはバキバキになっており、シャッターはいくら押してもシャッター音が鳴らない。

「は?んだこれ!お前らふざけやがって!」
/ 172ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp