第8章 花を手折る トレイ・クローバー
「んぐっ?!ん、んんっ!」
やけに甘ったるいどろりとした液体が喉を流れていく。
「っぷはぁ!ゲホゲホっ、がはっ…」
口端からさっきの液体が流れて顎をつたう。
すると、急に視界がぐらりと揺れ、体温が上昇してきた。
「はあっ、はあ…ら、らにこれぇ…」
呂律が回らなくなり、頭がぼーっとしてくる。
呼吸も浅くなり、熱が身体中を這っているようだった。
「媚薬だよ、これでお前の恥ずかしいところを撮って学園中にばら撒き、ここに居られなくさせてやる」
不良が私のブレザーを無理やり両側に引き裂くと、ボタンが弾け飛び、床に転がっていく。
抵抗したくても体はぐったりと重たくなっていて動きそうにない。
「おい、カメラだ、カメラ寄越せ」
不良が後ろを見ないで手を差し出す。
ポン、とカメラが手の上に置かれ、不良は私にレンズを向けようとしたが、カメラには無数のヒビが入っていた。
レンズはバキバキになっており、シャッターはいくら押してもシャッター音が鳴らない。
「は?んだこれ!お前らふざけやがって!」