第8章 花を手折る トレイ・クローバー
「…っ…いた…」
後頭部が激しく痛む。
目が覚めるとほとんど光のない部屋に手首を鎖で拘束されて私は床に寝転がっていた。
ーどこ、ここ…
「お、起きたみてぇだぞ」
奥からゾロゾロと5人くらいの生徒たちがやってくる。
そうだ。私は突然こいつらに絡まれて気を失ってしまっていたんだった。
「お前、見てて腹立つんだよ。魔法もないくせにさ」
不良の1人に前髪を思いっきり掴まれ、顔を引き寄せられる。
臆してはダメだ。
私は目を引き締めて、不良を睨み返す。
「あ?なんだよその目…大人しくごめんなさいって言えねぇのかよ!…まぁ、いいぜ、そのお陰でこっちも加減しなくていいんだからなぁ」
また別の不良が後ろから出てきて、小さい小瓶を私の前髪を掴んでいる不良に渡した。
小瓶を受け取った不良はピンを外して床に捨てると、私の口にねじ込んできた。