第17章 来客
その言葉が歯止めとなり一旦冷静さを取り戻したシズクは、デイダラに従いおとなしく鳥に乗って帰路についた。
だが、せめて確認くらいはしたい。鳥が地上に着地した瞬間アジト室内へ飛んだ。
「旦那!」
シズクが急に消えたためか、やや遅れてデイダラが急いで室内へやって来る。
「サソリなら先に出発しましたよ。待つのは嫌いだとかで」
鬼鮫が代わりに返答して状況を説明した。
いない…
そこにいたはずの仇の姿はなく、呆然と立ち尽くすシズク。
「…どうした?」
イタチがシズクの異変に気付き疑いの目で尋ねてくる。どきりとする胸を鎮め、平静を装い何とか誤魔化した。
確かに感情のまま動くのは早計だ。仮にサソリがいたとしてここで戦いを仕掛ければイタチ、そしてデイダラも黙っていないだろう。
暁のメンバー同士で争ってしまっては、恨みを買いそれが火種となり組織が乱れる。それに確証がないまま手を出せば、更にイタチの立場を悪くする。彼を巻き込むのは駄目だ。
まずは本当にサソリが里を襲ったのか確認しなければ。そう考えを改め、次にサソリに会った際には直接確かめようと決意した。
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