第12章 木ノ葉病院
話が妙な方向へいってしまい、シズクは恥ずかしくなりしばし押し黙る。その沈黙を破って、サスケがやや歯切れの悪い口調で話し始めた。
「…体に痕が残ったら…俺が……」
「…俺が?」
続きを促すと、彼は頬を染めて視線を逸らした。
「せ…、責任を取る…」
言葉に詰まりながらも言い切ると、はにかんだ表情でこちらに視線を戻してくる。驚いて見つめ返すシズクの視線と交わり、互いの瞳が捉えられ見つめ合う。
サスケはゆっくりとシズクの頬に触れ、そのまま唇を重ねてきた。普段クールな態度で振る舞う彼からは想像もつかないような、あたたかい優しいキス。
…サスケのことが好き。
口に出しては言わなかった。言える立場にもない。
ただ、言葉はなくても互いの想いが伝わるような不思議な感覚に満ちていた。
…この幸せな時間がずっと続けばいい。
叶わぬ願いだとしても、サスケを慕う気持ちはもう後戻り出来なかった。
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