第12章 木ノ葉病院
予選が終わりすぐにシズクは木ノ葉病院へ赴いた。セツナの病室の前には、試験会場で一旦別れたヒタキがいた。
「あれ?ヒタキも来てたんだ」
扉の取っ手を掴んでいた彼は、その手を引っ込めこちらを向いた。
「…シズク、サスケの様子は見たのか?」
「ううん、受付で面会謝絶って断られて…」
「なら今行って来い。さっき部屋を偶然見かけたんだ、今ならまだいるはずだ」
サスケの病室を教えシズクが早足で向かって行くのを見届けると、ヒタキは扉を開けた。
「……ヒタキ」
ベッドに横たわった状態で首を傾けて視線を寄越すセツナへと軽く溜め息をつく。
「…いつまで寝てるんだよ、深手は避けただろ」
ヒタキが皮肉めいた言葉を放つも、セツナは意に介さず責めるような目を向けてきた。
「お前、今シズクを追い払ったろ?」
「…じゃなきゃ仕事の話が出来ない。今夜から俺達も大蛇丸の件で駆り出されるぞ」
「今までだって働いてるだろ…くそ」
悪態をつくセツナには同感だがこればかりはどうしようもなく、ヒタキは自分達に言い聞かせるように呟いた。
「仕方ない。一応暗部のはしくれだからね」
「おや、これはシズクちゃん。面会謝絶って言われなかった?」
サスケの病室に到着するとそこには彼の他にカカシもいて、それとなく入室を拒否される。
「これからサスケと重要な話があるんだ。出来れば席を外してもらいたいな」
「…待て」
シズクを追い返そうとするカカシをサスケが遮った。
「少しの時間でいい。シズクと話がしたい」
彼の様子を見つめていたカカシは、無言で戸口のほうへ下がった。会話が許され、シズクはおずおずとサスケに近付き心配だった彼の体調を確認する。
「起き上がって大丈夫なの…?」