第10章 君と見たい未来
大倉side
嬉しいことがあった日は
いつもなら
ちょっとテンションが下がる
仕事でも
何がそんなにおもろいんや!
そう言われそうなぐらいに笑って
こなせるから
不思議なもんや笑
夕方少し早めに
仕事が終わって
まだ早いんは分かってるのに
ひなこに会いに
タクシーに飛び乗って
鼻歌なんか歌いながら
マンションの下でひなこの帰りを
待ってみたりして
なんか俺ちょっと気持ち悪い?
でも少し離れた場所から
ひなこが歩いてくるんが見えて
駆け寄って抱きしめたい気持ちを
必死に堪えてたら
ちょっと驚かしてやろうかな…笑
なんてイタズラ心がむくむく
湧き上がってきて
ひなこがマンションに入ったあと
少し離れて後ろからそっと
追いかけてみる
俺を見たらひなこは
どんな顔するんやろう?
笑顔で喜ぶ?
笑顔で嫌味を言う?
すごく驚いたあと笑顔になる?
俺の考えた選択肢は
全部がひなこの笑顔で
これは違うやんか…
なんで今ひなこは俺を見て
泣いてんの?
なんで今ひなこは
そんな悲しそうに
俺から顔を背けんの…?