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俺様主君といたずらな恋

第10章 君と見たい未来


「ほんとにこんなはずじゃ
なかったんやけどなぁ…笑」


そんな言葉で始まった
大倉さんの言葉は

ゆっくりだけど途切れることなく
静かに続いていって…


「作ってくれた
お弁当本当に美味しくて

だからこそちゃんたけりをつけてから
ここに来たくて

家に帰ったら…

かなさんときちんと
向き合ってみようって

そう思ってたんやけど


家のな…?


どこにもかなさんいなくて

荷物も全部なくなってて

鍵だけがポストに入ってた…



アホみたいや俺…笑

散々ひなこ傷付けたのに


それやのにまた俺は

かなさんに…」


背中越しに聞こえるその声は
悲しそうに震えてて


最後まで聞く


そう言ったのに我慢できずに

振り返り大倉さんの頭を引き寄せ

抱きしめると


何も言わずに大倉さんは
私の胸に顔を埋めて…


「情けないなぁ…俺

こんな自分捨てれたらええのに…」


そう言って小さく笑う…


そんな大倉さんが

もどかしくて腹立たしくて



「いいじゃないですか…
情けなくても…

私はイジワルな大倉さんも

ひねくれた大倉さんも

情けない大倉さんも


全部大好きです。


いらないんなら…

私にください…

かなさんにも大倉さんにも誰にも
あげません…


私が全部もらいますから…」



そう言って大倉さんから体を離し


私を見つめる大倉さんの唇に


キスをした…
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