第9章 見たくない真実との向き合い方
次の日になっても
ひなちゃんを傷付けた
罪悪感は一ミリも減ってはくれなくて
これはもう
大倉に一言文句言うてやる!!
なんて息巻いて
楽屋の扉を開くと
『大倉大丈夫!?』
なんて騒々しい安の声と一緒に
真っ青な顔をして
床に座り込む大倉の顔が
俺の目に飛び込んでくる…
『どうしたん?』
そう言って側にかけよると
大倉は青白い顔を俺に向け
『もう…安大袈裟な声出すなって笑
ちょっと最近食欲なくて
ちゃんとしたごはん
食べれてなかったから
立ちくらみしただけやん笑?』
なんてケラケラと笑って見せる…
『でも…』
『ほんまに大丈夫やから…
そうや安悪いけどあったかいコーヒー
買ってきてくれへん?』
『いいけど…
ほんまに無理したらあかんよ?』
『わかってるて笑』
安が居なくなった楽屋の中
『ほんまに大丈夫なん?』
そう隣でぐったりと座り込む
大倉に声をかけると
『ん…』
と力無い返事が返ってくる…
いい加減にしろ!!
なんでそんな情けない姿みせんねん!!
そう言ってやりたいのに
今の大倉の姿は
見てる方まで
痛くて苦しくて悲しくて
何にも言えなくなってしまう…
神様…
おるんやったらもう
大倉を解放してあげてくれへん?
こんな姿見せられると
俺の方が涙が出そうに
なってしまうやんか…