第9章 見たくない真実との向き合い方
私を見つめる目のまっすぐさに
丸山さんの言葉が冗談じゃないことは分かる…。
わかるけど…
たくさんたくさん傷付き過ぎて
今以上に傷付くのが
怖くなった弱虫な自分は
『待つって何ですか笑?
大倉さんは今幸せなんですよね…?
ずっとずっと大好きだった人と一緒で
私が入り込む隙なんて
無いに決まってますよ笑
無駄な期待を抱かせるの
やめてくださいよ…
きつい冗談だなぁ…笑』
なんて…
目を逸らすことで
丸山さんの言葉を誤魔化そうとしてしまう…
そんな私にも丸山さんは容赦なく
『わかってるよ?
ひなちゃんがたくさん傷付いて
誰よりも辛い思いしてること。
ひどいこと、残酷なこと、自分勝手なこと
全部わかってる上で
お願いしてる
あいつ今のままやったらきっとまた
前のひねくれた嫌なやつやった
頃に戻ってしまう
やっとひなちゃんに会って
心から
ほんと楽しそうに笑うようになったのに
今の大倉は
ずっと泣きそうな顔で
無理に顔に笑顔貼り付けてて
見てるこっちが痛くなるぐらいや…
でも俺じゃダメで…
何にもしてあげられへん
ひなちゃんだけやねん
大倉を笑顔に出来んのは…!
だからお願いします
大倉を手放さんといて?』
少しだけ目に涙を浮かべながら
そう言って
私に頭を下げたんだ…