第9章 見たくない真実との向き合い方
ひなこside
あの日の以来
私の携帯に非通知の電話が来ることはなくもう1週間が過ぎた...
連絡がないのは元気な証拠
そう思うけれど
胸がチクチク傷んでしまうのは
口では大倉さんが幸せならそれでいい...
なんてキレイゴトを言いながら
本音では
ほんの少しでも大倉さんと繋がっていたいと願ってしまうからなんだ
「あぁ、もうほんと私ダサいな笑」
そううつむきながらポツリと呟くと
インターホンの音が部屋に響いて
身体がビクリと跳ね上がる...
そんなわけない
頭ではそう思うのに
どくんどくんと身体が勝手に期待して
相手も確認せずに玄関に走り扉を開くと
そこにいたのは
大倉さん.......
ではなく
バカみたいに慌てて息を切らす私に
「あの...なんかゴメンな?大倉じゃなくて...」
そう言って申し訳なさそうに笑う丸山さんだった。