第8章 過去と痛みと現在と
ひなこside
昨日大倉さんに送ったLINEは
既読が付いたまま返事もなく
朝を迎えて
なんだかモヤモヤする気持ちを
なんとか抑えて仕事に行こうと
家を出た瞬間スマホに
“ごめん“
そんな短かすぎる一文が
大倉さんから送られてきた。
前にも後ろにも言葉のない
’ごめん“
の3文字が意味するものが
何なのか…
一日中考えてみても
答えは分からなくて
それなのに
“あれってどういう意味ですか?“
そう聞くことが
なんだかとても怖いことな気がして
連絡さえも出来ないまま
1日が終わっていく…涙
そんな弱虫でうじうじした
空気が充満した
陰気なベッドの中
“♪〜“
LINEのメッセージ音がして
慌ててスマホに手を伸ばすと
そこには
“大倉さん“ではなく…
”丸ちゃん”
の文字が光っていて
私の中にあった
モヤモヤした不安の答えが
そこに書かれていた…