• テキストサイズ

俺様主君といたずらな恋

第6章 君を守る盾


私の作った餃子を

美味しそうに完食した大倉さんは

満足気な顔でソファーに座ってて


”会いたかった”の言葉の意味や

突然訪ねてきた理由を

聞きたかったけど

なんだか口に出来ないまま

食器を洗い物を終えた私に

大倉さんは笑顔で手招きをする…


「たぶんひなこにも言いたいこととか

聞きたいことがあるんは分かってるけど、

まずは俺の話聞いてくれる…?」


そう言って一つ大きく深呼吸をして

大倉さんが話始めたのは

大倉さんが過去に経験した

悲しい恋の話で…


そのせいで女の人と真面目に向き合って

来なかったと言う言葉に


今までの大倉さんが見せてきた

悲しそうな笑顔が重なって

胸がギュッと締め付けられた…


今にも泣き出しそうなほど

悲しそうな笑顔で

言葉を続ける大倉さんは



「でもな…?

ひなこだけは特別やねん…


おもちゃやったはずやのに

変わりが見つからへん…


もう一回だけ信じたいって…

ひなこの側におりたいって

あほみたいに思ってしまう…


やから自分勝手なんは分かってるけど

信じてもええ…?

ひなこの側におってもええかな?」



そう言って

私の目を真っ直ぐに見つめる…



きっとこの人は

たくさん心が傷ついて

苦しくて自分を守るために

相手を傷付けながら知らずに

自分も傷付いてきたんだ


そう思ったから

私は目の前にある大倉さんの頭に触れ

優しく撫でながら



「私が守ってあげます。

大倉さんを傷付けるもの全てから

私が大倉さんを守る盾になってあげます…」



そう言って笑うと

大倉さんは一瞬驚いたような顔をして

その後可笑しそうに笑いながら

私の手を掴んで



「頼もしすぎるわ…ひなこは笑」



そう言ってゆっくりと顔を近づけ

唇と唇が触れそうな距離で動きを止めて



「てことで…

お許しも出たから

今からひなこにキスするけどいい…笑?」


なんて意地悪に笑う…


今までにない近すぎる距離間にクラクラして

「あの…ダメです…」


そう答えた私に大倉さんは

ふわりと優しく笑って



「あかんて言うてもするんやけどね…笑?」


そんな意地悪な言葉とは裏腹な

優しいキスを落とした…
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp